西荻窪駅から、南側線路沿いに荻窪方向へ2、3分ほど、1階が vivo daily stand、そして2階がこちらのお店。カントニクス、の店名どおり、燗酒と肉を提供されるお店。以前吉祥寺のカイ燗にいらっしゃった方が、2018年にオープンされました。カウンター10席ほどとテーブルが1卓、小さなお店を女将さん一人で切り盛りされています。クラフトビールやナチュールワインもありますが、日本酒は基本的に燗酒のみ、という潔さです。もちろん、燗酒はそれに向いたものがいろいろ置かれています。あ、燗以外の日本酒では、どぶソーダがありました。奈良の山奥のお蔵、久保本家のにごり酒・通称どぶを炭酸で割ったもの。これが上品なマッコリにも通じる(そういえばマッコリは肉との相性が抜群だった)、スターターにぴったりの一杯なんですよ。実は2軒めの私にとっては、リセットの一杯とも言えます(笑)こちらのお店の名物は、エアハム。薄くスライスされた艶めかしい生ハム、空気に触れるだけで溶けてしまいそうに美くしいそいつは、燗酒と出会うことでその温度で脂が口の中でとろけ、旨味が日本酒と融合して体の隅々にまで運ばれていくのです。なんというか、口の中がエロス、R18状態。いやー、これはたまらん。友人のイチオシは、ラムカルパッチョ。これも単体でもいいんだけど、燗酒と組み合わせることで何倍も美味しくなるじゃないですか。ラムの野性的な味わいにクミンのアクセント、これにはワイン・それもナチュール系もあうけれど、燗酒はラムの味わいもクミンの刺激も優しく受け止め、まとめて次の次元の味へ階段を昇ります。こりゃすごい、一人で皿を舐め回したい。。そんな具合で友人と飲んでいたら、たまたま飲んでいたお酒の蔵元さんがお客さんでいらっしゃるという。。気がつけばまわりのお客さんとも話が弾んでたり、小さなお店だから起こる数々の楽しい事件が、やがて酔いの彼方に霞んでいきます。またおじゃまします。ごちそうさまでした。