東京の人間に『福岡の麺』と訊けば大抵はラーメンと答えるだろうが地元ではうどんの人気が高いことは知っていた。先週の土曜、たまたま『博多うどん・三大チェーン店』なる番組を観た。神奈川産の当方には初めて耳にする名前ばかり。さっそく調べると【ウエスト】というチェーン店だけ関東に出店している。しかもなんと町田ではないか!?食べログ上では都合「中華そば・ラーメン」を中心にレビューしているものの実はラーメンに負けず劣らず「うどん」は大好きだ。とくに『讃岐うどん』があまり得意でない小生にとって『博多うどん』は長年の憧れ。いてもたってもいられず翌日、母を連れてでかけてみた。海岸方面から車でゆくと国道16号線・淵野辺十字路を4キロほど北にあがる。途中[ラーメン EAST 百名店]選出の【中村麺三郎商店】【貝ガラ屋】を横目にG系人気店の【麵屋歩夢】を過ぎれば目安の町田街道までは3~4分。お目当ての町田店は街道沿いの信号を左折すると数十秒で到着。さすがに前日のテレビ放映後の日曜ということで午前11時台ですでに満席。ただ敷地内の駐車場は運よく一台だけ空いていた。この時点で記帳一番目だったものの母が車椅子のため少しだけ待つ。それでもその後、殆ど待たずに入店できた。◇ごぼう天そば & ごぼう天肉うどん「ごぼう天そば」は食べていないので母の感想となるが、蕎麦は関東のものよりかなりヤワラかめで出汁ツユは風味を活かしたアッサリ目のソバ汁だったそうだ。さて積年の憧憬である『博多うどん』の実食。また同様に憧れ続けた「ごぼ天」が目の前にある。しかし次の瞬間、自身の中の妄想が音を立てて崩れてゆく。まず期待大だった「ごぼ天」は衣こそダシつゆに溶けだすが肝心のゴボウは風味も旨味もなくただ硬いだけ。コロナ罹患後、極端に硬いものを厭うようになった母の言葉を借りるとまさしく「木の根ッこ」のようなカタさ。本当にこれが博多っ子達が食べている「ごぼ天」なのか訝しがる。対して饂飩は昔から聞いていたイメージ通りの麺だった。なめらかな質感とひじょうにヤワラカな食感を保持しつつもコシは残っている。出汁つゆは淡白な風味。同じアッサリ味なら個人的には鰹出汁の利いた関西風のダシの方が好みだ。それでも遠征することなく県内(笑)で食べることができた分来てよかった。できればいつの日かもう一度確認できればと思う。最後に店員さん達が気遣ってくれたことに感謝して記しておく。